このストーリーはAIで作成されており、フィクションです。
第11本目:「放課後の小さな発明」
起:忘れられた部室
高校2年生の本田悠介は、学校であまり目立たない生徒だった。体育の時間に全力を出すわけでもなく、クラスの中心にいるわけでもなく、ただ静かに過ごしている。しかし彼には一つだけ好きなことがあった。それは、物を作ることだ。
ある日、悠介は校舎の隅にある「科学部」の部室を見つけた。科学部は活動がほとんど停止状態で、部室には古びた道具と、使われなくなった実験器具がほこりをかぶって並んでいた。
「誰も使ってないなら、ちょっと借りてもいいかな……。」
彼は誰にも相談せず、その部室を「自分だけの作業場」として使い始めた。授業が終わると、放課後の静かな部室で、分解されたラジオや壊れたドローンをいじりながら、悠介は一人で過ごすようになった。
承:訪問者と新しいアイデア
ある日の放課後、悠介が部室でいつものように古い部品を組み立てていると、突然ドアが開いた。入ってきたのは同じクラスの三浦紗月だった。紗月はクラスでも目立つ明るい性格で、悠介とはほとんど話したことがなかった。
「こんなところにいたんだ。探したよ!」
「探したって……俺を?」悠介は戸惑いながら答えた。
紗月は笑いながら、「実は先生に言われて、科学部の片付けを手伝うよう頼まれたんだ。で、誰がここを使ってるのか確認してこいってさ。」と言った。
その日から紗月は、毎日放課後になると部室に顔を出すようになった。最初は部室の掃除をしていたが、次第に悠介の作業に興味を持つようになり、いろいろと質問を投げかけるようになった。
「これって何を作ってるの?」
「……うーん、スマホを使って簡単にリモート操作できる小型車、みたいな感じ。」
「すごいね!でも、これ、どうやって使うの?」
紗月の言葉に、悠介はふと考え込んだ。自分が作るものは、ただの趣味の延長だった。しかし、彼女の興味に触発されて、「誰かの役に立つものを作れたら面白いかもしれない」と思うようになった。
転:文化祭への挑戦
紗月は突然、「これ、文化祭で出そうよ!」と提案してきた。
「文化祭?」
「うん!せっかくだから、みんなに見てもらおうよ。」
悠介は戸惑った。自分の趣味の延長で作っているものを人に見せるなんて考えたこともなかった。しかし、紗月の提案をきっかけに、彼は少しずつ前向きになり、文化祭で展示する「リモート操作の模型カー」を作ることを決意した。
それからの放課後、二人は部室にこもって作業を続けた。紗月は工具の扱いに慣れていなかったが、悠介の指導のもとで少しずつ手伝いをするようになった。時にはアイデアを出し合いながら、模型カーは完成に近づいていった。
結:文化祭と新しい自信
文化祭当日、科学部のブースには、思った以上に多くの生徒が集まった。悠介が作ったリモート操作の模型カーは、スマホで簡単に操作できるようになっており、実際に動かすと多くの人が驚きの声を上げた。
「これ、すごいじゃん!」
「どうやって作ったの?」
周囲の反応に、悠介は少し戸惑いながらも誇らしさを感じていた。紗月は笑顔でブースに立ち、「これ全部、悠介くんが作ったんだよ!」と説明してくれた。
文化祭が終わった後、紗月がふとつぶやいた。「やっぱり、何かを作るっていいね。私もこんな風に何かを形にできたらなって思ったよ。」
悠介は少し照れながら答えた。「……俺も、紗月のおかげで少し自信がついた。ありがとう。」
それ以来、悠介は自分の趣味をもっと活かしていこうと思うようになった。放課後の部室は、二人にとって「新しい挑戦」を始めるきっかけの場所となったのだった。
ー完ー