タワマン文学45ー夜の図書館

Posted by いそぎんちゃく on 2025/01/18

このストーリーはAIで作成されており、フィクションです。


第36本目:「夜の図書館」


起:誰もいない静寂

高校3年生の高瀬悠斗は、学校で最も好きな場所が図書館だった。昼休みや放課後に本を読むのが日課だったが、受験勉強が本格化した頃から、図書館は勉強場所としても欠かせない存在になっていた。

ある冬の夕方、図書館で問題集を広げていた悠斗は、閉館時間のアナウンスを聞き、慌てて片付けを始めた。ふと窓の外を見ると、薄暗い校庭にちらほらと雪が降り始めているのが見えた。

「今日は寒いな……」そう呟いて席を立ったとき、隣の机に座っていた同級生の倉本咲が声をかけてきた。

「高瀬くん、今日も遅くまで頑張ってるんだね。」

咲は同じクラスで進学校を目指していることもあり、図書館で顔を合わせることが多かった。ただ、会話を交わすのはこれが初めてだった。


承:延長の提案

「倉本さんも、よくここにいるよね。」と返した悠斗に、咲は「図書館、静かで集中できるから」と微笑んだ。

その日の帰り際、咲が何気なく言った。「図書館がもっと遅くまで使えたらいいのにね。」

その言葉に、悠斗は思い立った。次の日、図書館の司書の先生に「閉館時間を少し延ばしてもらえませんか?」と頼んでみると、先生は「自主的に管理するなら考えてもいい」と条件付きで許可をくれた。

それを咲に話すと、「本当に?じゃあ、私も手伝う!」と喜んでくれた。こうして、図書館の閉館時間を1時間延長する「夜の自習室プロジェクト」が始まった。


転:図書館での時間

プロジェクトが始まってから、悠斗と咲は毎晩図書館に集まり、勉強するようになった。二人で延長時間中の管理をしながら、それぞれの勉強に集中する日々が続いた。

ある日、咲がふと「ねえ、高瀬くんは、なんでそんなに頑張ってるの?」と尋ねた。

悠斗は少し考えてから、「特に理由はないけど……大学に行って、今の生活を変えたいと思ってるだけかな。」と答えた。

咲は頷きながら、「私も似てる。親に期待されてるし、なんとなく流されて頑張ってる感じ。でも、ここで勉強するのは嫌じゃないな。」と話した。

二人の間には自然と心地よい空気が流れ、図書館の静けさが、いつしかただの「無音」ではなく、「安心感」に変わっていった。


結:夜が明ける前に

冬が過ぎ、受験の日が近づく頃、咲が突然こう言った。

「ねえ、高瀬くん。受験が終わったら、この図書館で最後に一緒に何かやらない?」

「何かって?」と悠斗が尋ねると、咲は「まだ考え中。でも、せっかくだから、この図書館での思い出を何か形に残したいな」と笑った。

受験後のある日、二人は図書館に集まり、机に向かう代わりに本棚を整理したり、好きな本を貸し出しカードに記録したりして過ごした。そして最後に、咲が持ってきた一枚の紙に、二人で「夜の図書館」の日々について短いメッセージを書き込んだ。

「この場所で、未来を見つけた。」

その紙は、司書の先生にお願いして図書館の記録として残してもらった。夜の図書館で過ごした日々は、二人にとってただの勉強場所以上の意味を持つ「特別な時間」になっていた。

春の訪れとともに、二人はそれぞれの進路へと歩み出したが、図書館で見つけた「静かな絆」はこれからも消えることはなかった。


ー完ー